1999年12月「ぱんの店 あるとふぁごす」下諏訪町にて開業。
2015年、現在の岡谷市川岸に移転。また、移転を機に店名も「ブーランジェリー あるとふぁごす」に改めました。
店名の「あるとふぁごす」は、古代ギリシャの言葉で【パンを食べる人々】という意味なのだそうです。
古代エジプトでは当時すでに発酵パンが食べられており、ギリシャではまだ麦をお粥にして食べていました。そんな折、ギリシャの歴史家ヘロドトスが古代エジプトを訪れた際、古代エジプト人がパンを食べていることに驚き、これを記したんだとか。
その後、エジプトから世界にパン食文化が広がっていくのです。
「あるとふぁごす」 なんとも歴史を感じさせてくれる言葉です。
お客さんや雑誌の取材などで 「パンへのこだわりは何ですか?」 とよく聞かれます。もちろん私にもこだわりがあってパンを作っているのですが、よく世間で聞く「材料」や「石窯などの設備」「天然酵母」 といったものとは違うような気がします。
私がこだわるもの・・・。誤解を恐れずに言うと、それは、
「私が ~あるとふぁごす~ であること」
いい材料を使って、焼きたてで、手作りで、おいしいパンを作る。
それはパン屋という仕事をしている以上、当たり前のことです。
パンの歴史は約6000年も前から始まり、今日に至るまで製パンの基本的な部分は変わらずに続いています。
その長い歴史が続いてきた理由は「宗教的な祭事にパンが使われた事」 と 「主食であった事」です。
日本では、パンを宗教的に扱うことはあまりありません。
しかし、主食としてのパンでもないような気がします。
趣向品としての存在になってしまったパンが、今後日本でどういう変化をしていくのか・・・。
私の頭の中でイメージしたものを、私の手で作っていく。
6000年の歴史をすべて包括してパン作りに励みたい。
(大袈裟ですが、割と本気でそう思っています。笑)
それが、私の「こだわり」です。
OPEN / 10:00
CLOSE / 19:00(売り切れ次第閉店)
定休日 : 日曜日・祝祭日
開店時からお昼ごろにかけて次々にパンを焼き上げています。
一番種類が揃う時間には約50アイテムが棚に並びます。
人気の高いフランスパンは低温で長時間じっくりと発酵させるので、小麦本来の香りを楽しめるのが特徴です。軽くトーストしてからお召し上がりいただくと、より香ばしさが増します。
【item】
・フランスパン
・クロワッサン
・デニッシュ
・サンドイッチ
・菓子パン
・調理パン
・ラスク
・あるとふぁごすオリジナルコーヒー
・各種ジャム
・各種スープ
街を歩いていると不意に甘い良い匂いがしてきて、辺りを見回すと、たい焼き屋さんがあってつい買ってしまう。そんな事がたまにあります。もしかしたら、うちの店からも焼きたてのパンの甘い香りが漂っていて、つい買ってしまったという方もいらっしゃるかもしれない。所謂、衝動買いというやつですね。
そんな幸せな出会いも良いんですが、私は「あんたんとこのパンがなくなると困るんだよ」と言っていただけるような店にしたいと思っています。
本当に必要とされるような、「あるとふぁごすのパンがなければご飯にならないよ」と言っていただけるような店に。
《欲しいパン》から《必要なパン》になれるよう、スタッフ一同、日々精進して参ります。
Boulangerie
あるとふぁごすは長野県岡谷市川岸、県道14号下諏訪辰野線沿いにあります。中古コンテナを使ったオレンジと黒の建物です。
よくわからない時は、お気軽にお電話ください。
【車で】
JR中央本線 「岡谷駅」から約3分
長野自動車道 「岡谷IC」から約15分
【電車・バスで】
電車 / JR中央本線 「岡谷駅」下車
バス / 市営シルキーバス川岸線 「三沢郵便局入口」下車
※バス停を降りたところが あるとふぁごす です。
boulangerieあるとふぁごす周辺のご案内です。
お店のある岡谷市は、いかにも観光地というところではありませんが、「へぇ、こんなところもあるんだ」というものをいくつかご紹介しようと思います。
岡谷市は明治〜昭和初期にかけて製糸業の盛んな街でした。当時の面影を残した建物も点在していて、それを見て回ってもなかなか面白いです。岡谷蚕糸博物館は製糸業の盛んだった頃の岡谷市を細かく紹介しています。
大正〜昭和初期にかけて、日本の輸出額の約4割はシルク製品であったそうです。そして日本最大の製糸工場だったのが片倉組(現在の片倉工業株式会社)。この片倉組の本部事務所は明治に建てられ今も当時のまま残っていて、あるとふぁごすから徒歩2分のところにあります。
片倉組といえば、片倉兼太郎さん。日本の製糸業を牽引した方ですね。この片倉兼太郎さん、岡谷市川岸(旧三沢村)のご出身で生家もあるとふぁごすの目と鼻の先にあります。
本部事務所も生家も見学はできませんが、外観は見ることができます。旧本部事務所の建物は雰囲気も良く、当時に想いを馳せてみるのもいいかもしれません。
あるとふぁごすから歩いて10分程のところにある鶴峰公園。つつじの名所として有名で、3万株のつつじが植えられています。
この鶴峰公園も、もともと片倉兼太郎さんが低年齢従業員のために小学校を作った場所で、のちに公園になったんだとか。
毎年5月にはつつじ祭りがあり、大勢の人で賑わいます。
あるとふぁごすのパンを持って散歩に行くのも良いかも。
あるとふぁごすのすぐ裏手には天竜川が流れています。ここから上流に1km程行くと諏訪湖からの唯一の水の出口「釜口水門」があり、その周りには公園が整備されています。湖上に噴水があったりして、それを眺めながらボーッとできます。こちらも天気のいい日は散歩すると気持ちいいですよ。